急性緑内障の予防のための方法として、
「レーザー虹彩切開術」というものがあります。
虹彩筋にレーザーで穴をあけて
隅角が塞がれないようにする方法です。
急性緑内障の予防になるのはいいのですが
リスクやデメリットはないのでしょうか?
目次
【メリット】ズバリ、急性緑内障を予防することができる!
レーザー虹彩切開術(レーザーイリドトミー)を受けることのメリット、
それはズバリ、急性緑内障の発症を予防できることです。
急性緑内障というのは正式には「急性閉塞隅角緑内障」というのですが、
発症してから24時間以内に適切に処置しなければ
失明に至る可能性が高いという恐ろしい症状です。
というのも緑内障って眼圧が高いことが原因でなる病気です。
だいたい、大体眼圧が22mmHg以上だと眼圧が高いと判断されます。
正常値はだいたい10mmHg〜20mmHgと言われています。
それが、急性緑内障が発症してしまうと、
眼圧が40mmHg〜60mmHg以上というとても高い眼圧に急激になります。
それだけの眼圧の上昇があると、
さすがに眼にも異変が起こります。
眼にものすごい激痛が走るんですね。
めまいや吐き気などの症状もでてきます。
なによりも失明する可能性が少なくないというのが
ものすごく怖いです。
それを予防できるとなるとレーザー虹彩切開術。
とても魅力的に見えてきますよね。
【デメリット】水疱性角膜症になってしまう可能性あり。
ただ、もちろんメリットだけではないんです。
デメリットももちろんあります。
そのデメリットとは、
「水疱性角膜症」になってしまう可能性があるということです。
「水疱性角膜症ってなに?」
という感じであまりピンと来ないかもしれませんが、
実はかなり怖い症状です。
急性緑内障による失明みたいに、
視神経そのものがダメになるというわけではないのですが、
眼の角膜が白く濁ってしまうために、
視界がかなり弱くなる症状です。
これを治すには今のところ角膜移植をする以外にないというものです。
急性緑内障も怖いけど、水疱性角膜症も怖いんですよね〜。
なぜ、水疱性角膜症になってしまう可能性がでてくるのか?
ちなみに、なんでレーザー虹彩切開術を受けると
水疱性角膜症になる可能性がでてくるのかというと、
レーザーの照射によって、
角膜の内皮細胞の数が減ってしまうからなんです。
角膜内皮細胞というのは角膜を透明に保つ働きをもっているのですが、
1度減ると、もう元に戻りません。
細胞分裂しない細胞なので減りっぱなしになってしまうんですね。
そして、その数が一定以下になると
角膜の透明度を保つことができずに角膜が白く濁ってきます。
メリットとデメリットがかなり均衡、受ける際には眼科医としっかり相談。
個人的にはメリットとデメリット、
かなり均衡しているな〜と感じます。
ちなみに、急性緑内障を予防する方法として、
白内障手術を受けるという方法も実はあったりします。
「なんで白内障手術が急性緑内障の予防になるの!?」というと、
水晶体がなくなるので、水晶体と虹彩筋の間の詰まりも、
虹彩筋と角膜の間の隅角の詰まりもなくなってしまうからです。
ただ、もちろん白内障手術にもデメリットがあります。
角膜を切開するので水疱性角膜症になってしまう可能性があるのは同じだし、
そもそも白内障でもないのに白内障手術を受けるのも。。
今後、もっと良い改善方法が現れるのに期待したいですね!