最近、コンタクトレンズのCMとか見たことありますか?
例えば、アキュビューオアシスとか、
エアオプティクスアクアとか。
そういったCMを見ているとあることに気づきます。
どのCMも「酸素を良く通すコンタクトレンズ」ということを
アピールしているんです。
なんで酸素を良く通すコンタクトレンズだといいんでしょうか?
■コンタクトレンズはなんで酸素を通す必要があるのか?
コンタクトレンズって実は1887年に
アドルフ・ガストン・オイゲン・フィックさんという方によって
発明されました。
その時のコンタクトレンズはガラス製。
ガラス製のコンタクトレンズなので当然のことながら
酸素を通すことはできません。
ちなみにガラス製のコンタクトレンズは
装着しているとすぐに目が疲れてしまって長時間は
装着することができなかったそうです。
なぜ、長時間装着することができなかったんでしょうか?
■目の角膜の部分は酸素を空気から直接取り込んでいる
その謎を解くには、目の角膜についてちょっと知っておく必要があります。
実は目の角膜って体の中でもちょっと特殊な部分なんです。
というのも目の角膜には血管が通っていません。
体の角膜以外の他の細胞は、基本的に血液によって酸素を
が供給されています。鼻と口から酸素をとりこんで、それが血液に
含まれて体全体に行き渡るわけです。
目の角膜を除いて。
それでは目の角膜はどうやって酸素を取り込んでいるのかというと、
空気中から直接酸素を取り込んでいるんです。
■ コンタクトレンズが酸素を通さなければ目の角膜が酸欠になります
そうなんです。
つまりは、酸素を通すことができないガラス製のコンタクトレンズを
装着するということは目の角膜の口(目の角膜に口があればの話ですが。。)
を無理やり塞ぐということに等しいんです。
人間も鼻と口をふさがれてしまうととても息苦しいですよね。
たぶん1〜2分ぐらいでかなり息苦しくなってギブアップです。
潜水の訓練をしている海猿さんならもっと耐えられるかもしれませんが。
場合によってはというか、
それをずっと続けると命に関わります。
つまりはガラス製のコンタクトレンズを使い続けるということは
目の角膜の命に関わってくるんです。
■酸素を通すことができるコンタクトレンズが開発される
それじゃあまずい!
ということで、酸素を通すことができるコンタクトレンズの開発が開始されました。
ボシュロムから世界で初めてのソフトコンタクトレンズが発売されたり、
(ソフトコンタクトレンズは水分が含まれているので酸素を通します)
ハードコンタクトレンズでも酸素を通すことができるレンズが開発されて
いきました。
その結果、現在のように日中ぐらいならずっとコンタクトレンズを
装着していられるようになってきたんですね。
エアオプティクスEXアクアのように1ヶ月連続で装着してもOKという
レンズも登場してきています。
■こちらの記事も読むとコンタクトレンズに詳しくなれます
・「シリコン」ではなく、なぜ「シリコーン」ハイドロゲルなのか?
・ワンデータイプのシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズ
・トゥルーアイならコンタクトをしたまま寝てしまっても大丈夫?