乱視用のコンタクトレンズには
「CYL」という数字があります。
この「CYL」というのは
一体どういう意味をもっているんでしょうか?
目次
「シリンドリカル(cylindrical)」を略したものです。頭3文字だけとって「CYL」。
乱視用のコンタクトレンズには
「CYL」という数字があります。
一体どんなものなのか
気になる人も少なくないと思います。
まずは、語源から、
「CYL」というのは
「シリンドリカル(cylindrical)」という言葉の
頭文字3つをとった略です。
シリンドリカルというのは
「シリンダー状の」という意味をもちます。
シリンドリカルレンズという言葉があるのですが、
シリンダー状のレンズという意味です。
乱視とシリンダー状のレンズ、
一体なにか関係があるのでしょうか?
そもそも、乱視ってどうしてなってしまうのか?
その説明の前に、そもそも、
乱視ってどうしてなってしまうのかについて
話しておきたいと思います。
乱視ってどうしてなってしまうと思いますか?
乱視って視界が2重になったりして
ぼやけてしまう状態ですよね。
なんで視界が2重にぼやけてしまうんでしょうか?
角膜がなんらかの理由で歪んでしまい、目の中に2つの焦点ができてしまうため。
それは、目の角膜が、
何らかの理由で歪んでしまうことが原因です。
人間ってまばたきをしますよね?
まばたきをすると、
目の角膜は縦方向に軽く圧迫されます。
ほとんどの人にはあまり影響がないのですが、
中には、その圧迫によって目の角膜が変形してしまう人もいます。
分かりやすく図にするとこんな感じです。
縦方向がちょっとつぶれていますよね。
そうすると、角膜の、
横のカーブと縦のカーブの角度が、
ちょっと変わってきます。
カーブが急なほど、
焦点が手前になりますよね。
つまり、横方向の焦点の位置に比べて、
縦方向の焦点は手前にきてしまいます。
図にするとこんな感じ。
視界はこういうふうに見えます。
こうやって、乱視になってしまうんですね。
乱視用のコンタクトレンズは、片方の焦点をもう一つの焦点に移動させます。
次に、乱視の治し方です。
乱視の原因は、
目の中に2つの焦点ができてしまうからでした。
じゃあ、治すにはどうすればいいのかというと、
2つの焦点を1つの焦点にしてあげればいいんです。
歪んでしまったことで、
手前にきてしまった縦方向の焦点を、
奥の方の横方向の焦点に重ねてあげればいいわけです。
その時に使われるのが、「シリンドリカルレンズ(乱視用コンタクト)」です。
そのために使われるのが「シリンドリカルレンズ」なんですね。
つまりは乱視用のコンタクトレンズです。
乱視用のコンタクトレンズは、
視力を上げるためのレンズと、
乱視を治すためのシリンドリカルレンズが
1つになったようなものなんです。
ここで、シリンドリカルレンズは
シリンダー状のレンズという話にもどります。
シリンダー状のレンズというのは、
球面のレンズみたいに、
1点に焦点が集中するということがありません。
シリンダー状のレンズに沿って、
直線状に焦点が合います。
反対に言えば、
シリンダー状のレンズに沿った方向には、
光が収束しないんです。
そうなんです。
シリンドリカルレンズは、
ある特定の方向の光だけを収束させることができるんですね。
これを乱視を治すのに応用したものが
乱視用コンタクトレンズなんです。
図にするとこんな感じです。
シリンドリカルレンズによって、
縦方向の光だけを屈折させて、
2つの焦点が1つになるようにするんですね。
ちなみに「CYL」には数字があります。
数字が大きいほど、
シリンドリカルレンズ(乱視用レンズ)の部分のカーブが
急になる感じです。
つまりは、乱視が強いということですね。
この記事で使った画像は、
ジョンソン&ジョンソンのアキュビューの乱視用特集ページから
引用させていただきました。
乱視の仕組みが分かりやすく解説されているので
そちらもぜひチェックしてみてください。
画像引用元:アキュビュー乱視用特集ページ