PRKはレーシックに比べて
目がかなり痛くなると言われています。
なぜ、PRKはレーシックに比べて
目が痛くなってしまうんでしょうか?
目次
目の角膜の神経はどこに集中しているか知っていますか?
目が痛くなるということは、
そこに神経があるということです。
ということは目の角膜にも神経があるということなのですが、
目の角膜のどこに神経があるのかって知っていますか?
角膜全体と思うかもしれませんが、
角膜といっても細かく分けると、
5つの層に分かれています。
上から、角膜上皮、ボーマン層、角膜実質、デスメ層、角膜内皮です。
実は、その中でも特に神経が集中しているところがあるんです。
どこだと思いますか?
角膜上皮とボーマン層の間、角膜上皮下神経叢に集中しています。
実は角膜の神経は、
角膜上皮とボーマン層の間にかなり集中しています。
名前もついていて
「角膜上皮下神経叢(かくまくじょうひかしんけいそう)」
と呼ばれていたりします。
目の中にゴミがはいったりすると目が痛くなりますよね。
なので、もちろん角膜上皮にも神経が張り巡らされています。
でも、神経の密集度でいうと、
角膜上皮下神経叢が1番高いんですね。
PRKではその角膜上皮下神経叢を削り取ってしまうので目が痛くなります。
PRKの手術方法ってどういうものでしょうか?
まずは、角膜上皮をなんらかの方法で剥がします。
エキシマレーザーで取り除いたり、
メスや電動ブラシを使ったり、アルコールを使って剥がしたり。
そうすると、当然のことながら
角膜上皮下神経叢も剥がされることになります。
神経を直接剥がすことになるのでそれは痛そうですよね。
歯科治療でも、
歯の神経を抜くときはものすごい痛みが走ります。
手術中は点眼麻酔をしているのでまだいいのですが、
術後に麻酔がきれてきたときに目に痛みが襲ってくるんですね。
参考記事:「PRK」って一体どんな視力矯正手術法なんでしょうか?
レーシックの場合は、角膜上皮下神経叢の一部だけ切り取るので痛み軽減。
ちなみに、レーシックの場合は角膜上皮を剥がすのではなく、
フラップを作ります。
フラップを作るときも角膜上皮下神経叢の
一部を切ることになるのですが、
PRKの時のように全面を剥がすというようなことはありません。
例えるなら、PRKでは「面」で神経を剥がし、
レーシックでは「線」で神経を切断する感じです。
当然のことながら「面」で神経を剥がすほうが
痛みはそうとう上なのではないでしょうか。
目が痛いのを我慢すれば、術後の角膜の安定性はPRKの方が上?
そんなこともあって、
今では視力回復手術といえばレーシックがもっとも有名になっています。
PRKという言葉を知らない人も
かなり多いのではないかと思います。
人間、やっぱり痛いのはなるべく避けたいものですもんね。
でも、だからといって
すべての面でレーシックが勝っているというわけではないんです。
レーシックは確かに痛みが少ないし、
術後すぐに視力が良くなります。
でも、フラップをつくることによるデメリットもあります。
まれに、フラップがずれることがあります。
そうすると、当然視界も歪みます。
乱視になってしまうんですね。
そして、なによりも角膜の強度が下がるというのが避けられません。
というのも、フラップの厚みは、
角膜の強度を保つのにそれほど役に立たないからです。
鉄は溶接されているから強度を保つことができます。
でも溶接されているわけではなく、
ただ、仮止めされているだけだとしたらどうでしょうか?
すぐにはずれてしまいますよね。
実はフラップはそんな状態に似ています。
角膜実質は角膜上皮のように再生しないからなんですね。
反対に、再生されていくのであれば、
角膜実質をレーザーで削ってもそのうち元に戻ってしまいます。