糖尿病をわずらっていると、
白内障の進行スピードも早くなると言われています。
なぜ、糖尿病だと白内障の進行スピードが早くなるんでしょうか?
目次
まず、糖尿病は「血液」の病気です。血液中の糖分が上がってしまう病気。
まず、最初に、
糖尿病についてちょっと話しておこうと思います。
糖尿病という病気。
どういう病気だかわかりますか?
糖尿という感じから見ると、
尿が甘くなる病気かな?
って思ったりするのですが、
ちょっと違います。
実は、糖尿病というのは「血液」の病気なんですね。
血液中の糖分の濃度が上がってしまう病気なんです。
血液中の糖分が、血管のタンパク質と反応すると、「糖化」が起こります。
血液中の糖分の濃度が上がると、
なんで問題が起きるのかというと、
実は、糖分ってある程度の温度のときにタンパク質に触れると、
「糖化反応」を起こします。
メイラード反応と言ったりもします。
どういうものかを具体的に言うと、
キャラメルを思い浮かべるのが一番分かりやすいかもしれません。
キャラメルって、
砂糖と牛乳とバターを煮詰めていくと作れるのですが、
砂糖の糖分と、
牛乳とバターに含まれるタンパク質が熱せられることで、
褐色をした甘く、
粘性のある物質に変化していきますよね。
実は、この反応を、
血管内で起こしやすくしてしまうのが、
糖尿病なんですね。
血液中の糖分と、
血管の壁や血液中のタンパク質が糖化反応を起こします。
血管の壁で糖化反応が起こるので、
血管の壁の強度が落ちてしまいます。
破れやすくなったりもします。
糖尿病と脳梗塞などがつながっているのはそのためです。
「糖化」が白内障の進行スピードを早めたり、原因になるのであれば納得。でも。。
なので、糖尿病によって、
水晶体のレンズが糖化して、
白く褐色っぽく濁っていくというのは結構納得できる話です。
でも、ここでひとつ、疑問があります。
どういう疑問だと思いますか?
おそらく、ほとんどの人も疑問に思うはずです。
水晶体には血管が通っていません!
それは、
「水晶体には血管が通っていない!」
という事実です。
私達の体の中で、
血管が通っていない組織はほとんどありません。
というか3つしかありません。
そのうちのひとつが、
水晶体なんですね。
というのも、水晶体の中を血管が通っていたら大変です。
視界の中に血管が映ってしまうことになりますからね。
同じような理由で、
目の角膜の部分と硝子体にも、
血管が通っていません。
なので、血液の血糖値が高くなっていたとしても、
それが水晶体に影響を与えることは少ないのではないかとも思えるんです。
実は、糖尿病によって糖分が上がるのは、血液だけではなく、体の水分全体。
でも、調べてみると、
その疑問をくつがえす事実を発見してしまいました。
実は、糖尿病というのは
血液の血糖値が上がるだけの病気ではなくて、
体に含まれる水分全体の血糖値(血管以外のことも言うなら単に糖値ですね)が
上がる病気だというんです。
血液以外の水分といったら、
眼の房水内に含まれる水分だってそうですよね。
ゼリー状の硝子体だってある意味水分です。
その水分に含まれる糖分が上がっているのであれば、
確かに、糖尿病が白内障の進行スピードを早めたり、
原因になるというのも納得がいきます。
だって、水晶体は房水と硝子体に挟まれていますもんね。
水晶体に糖化反応が起きても不思議じゃありません。
ちなみに、糖尿病になると関節の可動域が狭くなるというのも、
体に含まれる水分そのものの糖分が上がるからなんだそうです。
血管が糖化するというよりも、
関節そのものが糖化する感じですね。
ちなみに、冒頭で糖尿病は尿が甘くなる病気ではないと言いましたが、
体全体の水分の糖分が上がるのであれば、
もしかしたら尿も本当に甘くなってるかもしれません。