目の「角膜」が白く濁ってしまって
視界が悪くなる「水疱性角膜症」という病気があります。
今のところ治すには角膜移植しかないという難病なのですが、
水疱性角膜症になってしまう
原因というのはなんなのでしょうか?
目次
そもそも、角膜は白く濁るもの!?
そもそも、角膜って実は放っておくと
白く濁っていくものなんです。
なんてことを言うとちょっと語弊があるかもしれませんが、
角膜内にある、ある組織が働いてくれているからこそ、
角膜は透明度を保てるようになっているんですね〜。
その組織というのが「角膜内皮細胞」です。
角膜ってだいたい0.5ミリ〜0.7ミリぐらいの厚みなのですが、
その一番内側に張り付いているのが「角膜内皮細胞」です。
こんな感じ。
(日本眼科学会サイトより引用)
角膜を透明に保ってくれている「角膜内皮細胞」という存在。
この角膜内皮細胞という組織、
どんな働きをしているのかというと、
角膜内にある余分な水分を
目の内側へと送り出すポンプみたいな働きをしているんです。
そう、つまりは角膜内の水分を調節してくれる働きがあるんです。
水分が多すぎると白く濁ってくるし、
水分が少なすぎると目が乾いてしょうがないし。
それを調節してくれるいい仕事をしているんです。
そんな角膜内皮細胞なのですが、
弱点があります。
それは、「再生しない」ということ。
つまりは角膜内皮細胞の数は減りっぱなしなんです。
歯みたいな感じですね。
「角膜内皮細胞」の数が一定以下になると「水疱性角膜症」になる。
で、角膜内皮細胞の数が減るとどうなるのかというと、
角膜内の水分を十分に調節できなくなってきます。
余分な水分を汲み取れなくなってきます。
そうして角膜がだんだんと白く濁っていって
「水疱性角膜症」になってしまうというわけなんです。
ちなみに角膜内皮細胞の数には一定の基準があります。
だいたい、1ミリ平米あたりの細胞の数が1500を下回り始めると
だんだんと角膜が白く濁ってくるんだそうです。
ちなみに健康な人の1ミリ平米あたりの細胞の数は3000〜4000です。
角膜内皮細胞が減る行為とは?
そうなると気になってくるのが、
「どうしたら角膜内皮細胞が減ってしまうのか?」
ということですよね。
なんで角膜内皮細胞は減ってしまうのでしょうか?
その理由はいくつかあります。
もちろん加齢というのも原因のひとつですね。
高齢者になればなるほど角膜内皮細胞は少なくなっていく傾向があります。
でも、それ以外にもいくつかあるんですね。
特に大きな原因となるのは、
角膜を切開する手術。
そして、あまり酸素を通さないコンタクトレンズの長時間装用です。
角膜を切開する手術やコンタクトレンズの長時間装用も!
角膜を切開する手術が
角膜内皮細胞の数を減らしてしまうのは簡単にイメージできますよね。
細胞そのものをメスやレーザーで破壊してしまうんですから。
緑内障や白内障の手術、
レーシックの手術もそうですね。
フラップを作るために角膜を切開するので。
そして、意外なところではコンタクトレンズの装用というのがあります。
角膜内皮細胞って実は
酸素を空気中から直接取り込んでいる組織だったりします。
つまりはコンタクトレンズがあると呼吸の邪魔になるのです(笑)
ただ、コンタクトレンズと一口にいっても色々あります。
最近は裸眼並に酸素を通すことができる
コンタクトレンズも登場してきているので、
そういったコンタクトレンズであればあまり問題ありません。
問題なのはカラコンですね。
角膜内皮細胞が減ることを知らずにカラコンを使い続け、
若いうちに水疱性角膜症になってしまう人も
今後でてくるのではないかと心配しています。
というわけで水疱性角膜症になってしまう原因についてでした。