白内障手術をしたのに、
また視界が白っぽくぼやけてしまう。
そんな症状があります。
術後にまた視界が白っぽくなることを
「後発白内障(こうはつりはくないしょう)」と呼んでいます。
なぜ、後発白内障が起こってしまうんでしょうか?
水晶体を取り除いたのに、なんで白く濁るのか?
白内障は眼の水晶体が白く濁ってしまうことによって起こります。
それを治すために、
手術によって白くなった水晶体を砕いて取り除くわけですね。
で、水晶体の代わりに眼内レンズをはめると。
でも、まれに白内障の術後にまた視界が白く濁ることがあります。
「白内障が再発!?」
とも思うわけですが、
視界を白く濁らせていた原因である水晶体はすでにありません。
「眼内レンズが白く曇っちゃったのかな?」
とも思うかもしれませんが違うんです。
実は、水晶体を包んでいた膜である「嚢」が白く濁ってしまうのが
「後発白内障」の原因なんです。
水晶体をを包んでいた膜である「後嚢」が白く濁るのが原因。
白内障の手術をするときって
水晶体そのものはすべて取り出すのですが、
水晶体を包んでいる膜である「嚢」は残しておくんですね。
嚢を残しておくことで硝子体を安定させることができるし、
眼内レンズを装着しやすくなるからです。
イメージとしては下の図みたいな感じです。
(日本白内障学会サイトより引用)
ちなみに嚢は「前嚢」と「後嚢」の2つに分けられます。
白内障の手術のときに水晶体を取り出すために取り除く部分が「前嚢」、
残しておく部分が「後嚢」と呼ばれます。
後発白内障というのはこの「後嚢」が白く濁ってしまうから起こるんです。
「後嚢」が白く濁るのは若い証拠!?
で、なぜ「後嚢」が白く濁ってしまうのかというと、
ズバリ、「若さ」が原因なことが多いようです。
若い人ほど後発白内障の発症率が高いんです。
若いとまだまだ細胞の新陳代謝が活発なので、
後嚢の細胞も新陳代謝を繰り返します。
でも、水晶体は取り除かれてしまっているし、
前嚢は切り取られているし、
後嚢は水晶体を包む「嚢」としては不完全な状態です。
で、透明度を保つことができずに白く濁っていってしまうんですね。
高齢者になると新陳代謝がだいぶ遅くなっているので
なかなか後発白内障は起きにくいんですね。
若い人ほどガンの進行も早いのと同じでしょうか。
ちなみに、後発白内障はYAGレーザーを使って後嚢を破ることで
わりと簡単に治すことができます。
というわけで、後発緑内障が発生してしまう原因についてでした!
若さが原因っていうのもなんですが。。(笑)
あ、ちなみに白内障の手術のときに使う
眼内レンズの種類によっても後発白内障の発生率が変わるとも言われていますが
正確にはよく分かっていないようです。