白内障の手術をすると、
水晶体の代わりに眼内レンズを挿入することになることが多いです。
眼内レンズには、
単焦点のものと、遠近両用の多焦点のものがあります。
単焦点は保険適用なのですが、
多焦点は保険適用外になっています。
なぜなんでしょうか?
目次
健康保険の基本。「贅沢さ」を求める場合は保険適用外になる!?
遠近両用のレンズは、
なぜ、保険適用外なのか?
それを考えるには、
歯医者のことを考えるといいかもしれません。
歯医者での虫歯の治療にも、
保険適用のものと保険適用外のものがありますよね。
具体的に言うと、
銀歯、金歯、セラミックなどです。
この中で、唯一、保険適用されるものが銀歯です。
なぜ、金歯とセラミックは保険適用外なんでしょうか?
それは、銀歯でもモノを噛むという機能は
十分に満たすことができるからです。
金歯とセラミックは贅沢でしょという考え方ですね。
単焦点レンズでも、老眼鏡やメガネをかければ大丈夫でしょ?
おそらく、白内障での
単焦点レンズと多焦点レンズも
同じような考え方がされているかと思います。
単焦点レンズでも、
モノを見るという機能は十分に満たせるでしょ?
という考え方です。
確かに、単焦点レンズでも、
老眼鏡とメガネを併用すれば、
どこにでもピントを合わせることができます。
つまりは、多焦点レンズは贅沢というか、
快適さを求めてるだけでしょということになるんじゃないでしょうか。
確かに一理ありますよね。
保険適用外ですが、「先進医療」として認められています。
ちなみに、
白内障での多焦点レンズは保険適用外なのですが、
「先進医療」としては認められています。
「先進医療」ってなに?
っていう感じだと思います。
私も今さっき知りました。
「混合診療」って言葉、聞いたことありませんか?
歯医者で金歯とかセラミックにしたことがある人は
聞いたことがあるかもしれません。
保険適用の、虫歯を削るという行為と、
保険適用外のセラミックの歯をかぶせるという行為は、
実は一緒にはできないんです。
必ず、それぞれ別の日に行う必要があります。
そうしないと混合診療になってしまうんですね。
混合診療になると、すべてが保険適用外になります。
先進医療というのは、
その混合診療を認めるということみたいです。
つまりは、多焦点レンズの代金以外は保険適用されるということ。
白内障の多焦点レンズが
先進医療として認められているということは、
言い換えるならこういうことです。
白内障のための診療と手術、薬代は
保険適用にすることができます。
そして、その上で、
保険適用外である多焦点レンズを
同日にそのまま眼内に装着しても大丈夫ですよということです。
普通であれば、混合診療になってしまう行為なんですが、
先進医療に認められている場合は、
それも可能になるってことですね。
ただし、病院自体が先進医療を行える病院として
承認されている必要があるみたいです。
遠近両用レンズよりも、単焦点レンズのほうが満足度が高いということもある?
ちなみに、高額な遠近両用レンズなのですが、
単焦点レンズよりも確実に満足度が高いのかと言われると、
ちょっと疑問が残るかもしれません。
というのも、コンタクトレンズにも遠近両用のものがあるのですが、
まだまだ、ユーザー満足度が高いとは
決して言えないような状況だからです。
遠近両用レンズを試してみても、
結局は老眼鏡にもどってしまうという人も少なくないようです。
このことは、白内障での
単焦点レンズと多焦点レンズにも言えると思います。
白内障の場合は、
おいそれとレンズを交換することは難しいので、
なおさら慎重になる必要があります。
もし可能であるならば、
白内障の手術を受ける前に、
遠近両用のコンタクトレンズを試しておくというのも
いいのかもしれません。