シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズは、
人によっては目との相性が悪く、
合わないということがあります。
今まではその理由については不明だったのですが、
その理由の可能性がちょっと見えてきました。
一体どんな理由なんでしょうか?
目次
シリコーンハイドロゲルには、タンパク質が付着しにくいという特徴があります。
シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズには
いくつか特徴があります。
1番目立つ特徴としては、
やはり、酸素の通しやすさがあるのではないかと思います。
ほぼ裸眼並に酸素を通す、
酸素透過性の高さはやはり魅力的です。
関連記事:コンタクトレンズの酸素透過率(透過性)は、なんで重要なのか?
目の健康にいいですもんね。
酸素を通しやすいという特徴の影にかくれていますが、
実はシリコーンハイドロゲルには、
タンパク質が付着しにくいという特徴もあります。
目やになどの白っぽいタンパク汚れが
レンズに付着しにくいんですね。
実は、このタンパク質が付着しにくいという特徴が、
シリコーンハイドロゲルが目に合わないという人がいる
理由になっているかもしれないんです。
関連記事:シリコーンハイドロゲルは相性とかアレルギー問題があるらしいけど?
涙の中には、殺菌作用のある「リゾチーム」という酵素が含まれています。
というのも、
涙の中には、細菌を殺菌する作用のある
「リゾチーム」と呼ばれる酵素が含まれています。
私達の目って空気に直接ふれているので、
当然、小さな細菌が目の中に入ってきますよね。
そういった細菌を殺菌する働きをもっているのが
リゾチームなんですね。
実は、リゾチームという酵素はタンパク質の一種です。
このリゾチーム。
酵素という名前ですが、タンパク質の一種なんです。
というか、酵素ってそもそも
タンパク質をもとに作られている物質なんですね。
ということはですよ。
シリコーンハイドロゲルの特徴として
タンパク質が付着しにくいという話をしました。
つまりは、リゾチームもシリコーンハイドロゲルには
付着しにくいということになります。
リゾチームはシリコーンハイドロゲルによって不活性化されてしまう?
ソフトコンタクトレンズは目に装着すると、
目の角膜に直接張り付くような感じになります。
涙の中に沈んだ感じといいますか。
ハードコンタクトレンズは
涙の上に浮いているような感じなんですけどね。
なので、シリコーンハイドロゲル素材の
コンタクトレンズを装着すると、
目の角膜とコンタクトレンズの間のリゾチームの量が
かなり減ってしまうのではないかと思うんです。
シリコーンハイドロゲル素材がタンパク質を弾いてしまうので。
もっと言うと、シリコーンハイドロゲルは
リゾチームを変性させてしまうようです。
変性させるというのは不活性化させてしまうということ。
もっと簡単に言えばリゾチームが死んでしまうんですね。
そうすると、目の角膜とコンタクトレンズの間に
細菌が入ってしまった場合、
殺菌することができなくなってしまいます。
その結果、細菌によって角膜に炎症が起こるのではないか?
そうなると、当然のことながら、
目の角膜が刺激されて違和感を感じるかもしれません。
場合によっては炎症を起こしてしまうこともあるかもしれません。
目に合わないということになってしまいます。
特にドライアイの人とか、涙の量がもともと少ない人は
特にその可能性が高くなるのではないかと思います。
まだまだ、確かにそうだということは
立証されていないようなのですが、
その可能性は少なからずあるようです。
この可能性をもとに、
シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズが、
より多くの人の目に合うように、
さらに進化していくといいですね。
参考サイト:清澤眼科医院通信:7918:ソフトコンタクトレンズ装用眼の涙液層動態(聴講印象記)
参考サイト:シリコーンハイドロゲル素材のコンタクト一覧|使い捨てコンタクトレンズ通販ガイド