眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)って知っていますか?
まぶたを持ち上げる能力が弱って
パッチリと開かなくなってしまう症状です。
実はその原因としてハードコンタクトレンズが挙げられていたりします。
なんでハードコンタクトレンズが眼瞼下垂の原因になるんでしょうか?
目次
レンズを外す時にまぶたをグイッとひっぱってませんか?
なんでハードコンタクトレンズが
眼瞼下垂(がんけんかすい)の原因になると言われているんでしょうか?
実はレンズの外し方に問題があるんです。
ハードコンタクトレンズってレンズを外す時に
まぶたをグイッと引っ張りますよね?
まぶたでレンズをはさむために。
この動作がどうやら眼瞼下垂の原因になるようなんです。
ちなみにもう一つの原因として、
ハードレンズ自体が
まぶたへの刺激となっているのではないかというのがあります。
でも個人的にはまぶたをグイッと引っ張るほうが
原因としては大きいのではないかなと思います。
なぜかというと眼瞼下垂症になる人は
圧倒的に女性のほうが多いという事実があります。
ハードコンタクトレンズ以外にも
クレンジングやつけまつげが
眼瞼下垂の原因になってしまうらしいのです。
特につけまつげはかなり危ないらしいです。。
最近はそのおかげで若い人でも眼瞼下垂になる人が増えているんだとか。
どれもまぶたをこすったり引っ張ったりするものですよね。
まぶたを持ち上げる「腱膜(けんまく)」が伸びたり外れてしまうのが原因!
ここで、眼瞼下垂になる仕組みを図解してみましょう!
(名古屋第二赤十字病院のサイトより引用)
まぶたを持ち上げる筋肉は2つあります。
「上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)」と
「ミュラー筋」の2つです。
この2つの関係はというと、
上眼瞼挙筋の方がメインで
ミュラー筋の方がサブという感じです。
図を見ても上眼瞼挙筋の方が筋肉が太いですもんね。
で、上眼瞼挙筋は「腱膜(けんまく)」という膜で
まぶたのエッジである「瞼板(けんばん)」につながっています。
人がまぶたを開ける時ってまずは
「上眼瞼挙筋」が収縮します。
すると、そこに繋がっている「腱膜」が持ち上がります。
次に、そこに繋がっている「瞼板」が持ち上がる。
そして、まぶたが開くという仕組みになっています。
つまりは「腱膜」があるからこそまぶたが正常に開くんです。
ものすご〜く大雑把に言えば、
クレーン車でいうワイヤーのような存在が「腱膜」なんです。
ハードコンタクトレンズを外すために
まぶたをグイッとひっぱっていると、
この腱膜がだんだんと伸びていってしまったり、
場合によっては瞼板から外れてしまったりします。
次の図みたいな感じです。
この図は腱膜が瞼板から外れてしまった場合のものです。
この状態で上眼瞼挙筋が収縮しても、
そのチカラは瞼板には伝わりません。
つまりはまぶたが正常に開かないんです。
こういう場合はサブの筋肉である
ミュラー筋がメインに働くことになるのですが、
まぶたを持ち上げるのに十分なチカラがないために、
まぶたは中途半端にしか開きません。
これが眼瞼下垂なんです。
ミュラー筋を酷使すると眠れなくなる!?
ちなみにこのミュラー筋、
ある特徴があります。
実は交感神経優位の時にしか働かないんです!
上眼瞼挙筋は私達の自由意志で動かすことができるのですが、
ミュラー筋は実はちょっと違うんです。
例えば、ご飯を食べ終わってリラックスしている時は
副交感神経が優位になるので
ミュラー筋はあまり働かなくなります。
つまりはまぶたが下がってしまうんです。
まぶたを上げるには交感神経を優位にしないといけません。
なので、眼瞼下垂の人はまぶたを開けようとすることで
交感神経優位になりやすくなるそうです。
交感神経というのは「興奮」を司る神経です。
臨戦態勢のときとかは交感神経優位ですね。
そういう状態が続くといろいろな弊害もでてきます。
例えば夜眠れなくなってしまったり、
自律神経がやられてしまうこともあるそうです。
予防方法はレンズを外す時に「スポイト」を使うこと。
というわけで眼瞼下垂の仕組みについてお話しました。
今、ハードコンタクトレンズを使っているんだけどどうしよう!?
という人もいるかもしれません。
そこでひとつ、予防策をお教えします。
それは。。
ハードレンズを外す時に「スポイト」を使うという方法です。
実はコンタクトレンズを外す専用の器具があるんです。
これです!
(メニコン公式サイトの動画よりキャプチャー引用)
スポイトというよりも吸盤という感じでしょうか?
上の写真みたいに
直接目の中のハードコンタクトレンズに吸着させてレンズを外します。
これならまぶたをグイッとひっぱることなく
レンズを外すことができますよね。
ぜひ、眼瞼下垂を予防したいという人は使ってみてください。
お値段も500円ぐらいとそれほど高くありません。
眼瞼下垂症になってしまったら治すには手術しかないようです。
ちなみに眼瞼下垂は1度なってしまうと
自然回復することはなく、
治すには手術が必要になるようです。
ついでなのでどういう仕組みで
眼瞼下垂を治すのかについても解説しておきます。
眼瞼下垂というのは
「腱膜」が伸びてしまったり
「瞼板」から外れてしまったりすることが原因でした。
ということは「腱膜」の代わりになるような
なにかがあればいいわけです。
上眼瞼挙筋と瞼板を繋ぐことができるような。
で、上の左の写真をよく見てみてください。
「眼窩隔膜(がんかかくまく)」という膜が
上眼瞼挙筋から上の方に伸びていませんか?
そうなんです。
実は上眼瞼挙筋からは
上の方に「眼窩隔膜」、
下の方に「腱膜」と
2つの膜に枝分かれしているんです。
で、眼瞼下垂症の手術には眼窩隔膜を利用します。
上の方に伸びている膜を途中で切って、
下へ反転させて瞼板に繋げてしまうんです。
上の右の写真みたいな感じです。
こんなことができてしまうんですね〜。
そうすることで、
上眼瞼挙筋が収縮するチカラを
ちゃんと瞼板に伝えることができるようになります。
つまりはまぶたがパッチリと開くようになるというわけです。
まとめ
というわけでハードコンタクトレンズが
眼瞼下垂の原因になる理由とその仕組みについてでした。
ハードコンタクトレンズって
目の健康にいいって言われているのに
実は眼瞼下垂になりやすくなるという隠れたデメリットがあったんですね。
ちなみにハードコンタクトレンズを
10年以上使っている人は
眼瞼下垂になっている可能性が大きいようです。
とはいえ、レンズをはずすときに
スポイトを使うようにすればある程度予防はできそうなので、
ハードコンタクトレンズを今使っているという人は
ぜひスポイトを使ってみてください!