矯正度数が-6D以上の強度近視の人は
レーシックは控えておいたほうがいいと言われたりします。
なぜ、強度近視の人は
レーシックは控えておいたほうがいいのでしょうか?
目次
近視が強いほど、術後のリスクが上がるのは確かです。
簡単に言うと、
近視が強いほどに、
レーシックを受けたあとに問題が発生する可能性が
高くなってしまうからです。
そんなのは、
手術を受ける側にとっても良くないし、
手術をする眼科医側にとっても好ましくない状況ですよね。
メガネの場合だって、
近視が強いほどに、
レンズを厚くしなければならないので、
レンズが重くなってしまって
メガネをかけてると疲れやすくなったりしますよね。
コンタクトレンズの場合は
薄いのであまり違いがわかりにくかったりしますが、
コンタクトレンズが
微妙に厚くなっていたりします。
なぜ、強度近視だとレーシックの術後のリスクが上がってしまうのか?
ちなみに、
なんで強度近視だと
レーシックの手術を受けた後の
リスクが上がってしまうんでしょうか?
視力を矯正するためには、
目に入ってきた光の焦点を、
上手に目の網膜に合わせてあげる必要があります。
近視というのは、
目に入ってきた光の焦点が、
網膜の手前になってしまっている状態です。
近視が強いほどに、
焦点と網膜との距離が遠くなっています。
その距離を縮めるためには、
レーシックの場合は角膜を削らなければいけません。
矯正度数の分だけ、角膜を削る量が多くなってしまう。
そうなんです。
近視が強ければ強いだけ、
エキシマレーザーを使って
目の角膜を削る量も増えていってしまうんです。
メガネやコンタクトレンズの場合、
度数を上げたければその分だけ
レンズを厚くすればいいわけなんですが、
角膜の場合ってそうはいかないですよね?
だって、角膜の厚みって
増やすことってできないですから。
例えば、-10Dなら約150μmも角膜を削ることになります。
例えば、近視の矯正度数が-10Dの人の場合、
どれくらい角膜を削らないといけないんでしょうか。
一般的に、レーシックの場合は
1D分を矯正するのに約12μm〜15μmほど削る必要があると言われています。
使うエキシマレーザーや、
矯正する角膜の広さによって微妙に変動します。
仮に15μmとすると、
-10Dを矯正するために約150μmの角膜を削る必要がでてきます。
角膜の厚みは約500μmと言われているので、
約3分の1弱を削る必要があるということですね。
ちなみに、レーシックの場合、
さらにフラップ分の厚みも確保しなければいけません。
フラップの厚みはだいたい100μmから120μmです。
仮に120μmとすると、
150μm+120μmで合計270μmの角膜が削られるということですね。
角膜の厚みが500μmとすると、
半分以上の角膜が削られることになります。
この場合、レーシックはやめたほうがいいというよりも、
レーシックを受けることを断られるレベルになります。
角膜が薄くなって強度が落ちると、術後に角膜が変形するリスクが上がります。
というのは、
角膜が薄くなって強度が落ちると、
レーシックの手術のあとに、
角膜がなんらかの理由で変形する可能性が高まってしまうからです。
例えば、眼圧の上昇によって、
眼球の内側から押されるようにして
角膜が膨らんでしまうんですね。
正常な角膜なら問題ない場合でも、
レーシックによって薄くなった角膜の場合、
大きな問題になる可能性がでてくるんですね。
ちなみに、レーシック後に残る角膜の厚みとしては
250μm以上あることが望ましいとされています。
フラップ分は抜いた厚みです。
どうしても視力回復手術を受けたい場合はPRKを検討してみる。
そんなわけで、
強度近視の場合、
レーシックをやめたほうがいいどころか、
受けられない可能性も少なくありません。
そういうときは、レーシックではなくて、
PRKやエピレーシック、ラゼックなどを
眼科医さんにオススメされるかもしれません。
PRKというのはフラップを作らない視力矯正手術です。
フラップを作らないので、
フラップ分の角膜の厚みを温存することができるんですね。
例えば−10Dの人の場合は150μm角膜を削る必要がありました。
PRKの場合はフラップを作らないので、
トータルで150μmでいいんです。
角膜の厚みが約500μmとして、
削る量が150μmなので、
350μmの厚みが残ります。
これならば視力回復手術も受けられそうですね。
参考記事:「PRK」って一体どんな視力矯正手術法なんでしょうか?