角膜には、
透明度を保つ働きをもっている
角膜内皮細胞という層があります。
ラゼックを受けると、
その角膜内皮細胞が減りやすくなってしまうということが
言われたりします。
本当なんでしょうか?
目次
ラゼックは角膜上皮を剥がすのに「アルコール」を使います。
ラゼックという視力回復手術法は、
フラップを作らない手術方法です。
手順としては、角膜上皮を剥がし、
露出した角膜実質にエキシマレーザーを照射して屈折矯正して、
それから保護用のコンタクトレンズを装着します。
ラゼックで特徴的なのは
角膜上皮を剥がすために
「アルコール」を使うという点です。
約20%ほどのアルコールなので、度数の強さは焼酎ぐらい。
使うアルコール(エタノール)の度数は
約20%ほどのものです。
アルコールで度数20%というと
度数の低い焼酎ぐらいの強さでしょうか。
一般的には焼酎はアルコール度数が25%ですが、
少し度数を抑えた20%の焼酎もあります。
ウイスキーほどには高くありませんが、
ワインや日本酒よりは高いアルコール度数です。
それぐらいのアルコール度数の液体で、
目の角膜を浸すわけなんですね。
想像するとちょっと目が焼けそうですね。
手術中は点眼麻酔をしているのでそれほど痛みは感じないのですが、
角膜上皮が剥がれてしまうぐらいの刺激はあるわけです。
角膜は厚さ0.5mmほどのとても薄い組織です。
ちなみに、角膜というのは
厚みが約0.5mmほどのとても薄い組織です。
そんな角膜もさらに5つの層に分かれています。
上から、
角膜上皮、
ボーマン層、
角膜実質、
デスメ層、
角膜内皮、
の5つの層です。
アルコールによって剥がしたいのは
角膜上皮だけなのですが、
20%の度数のアルコールが、
角膜上皮だけに影響を与えて、
他の組織には影響を与えないなんていうことが可能なんでしょうか?
アルコールが角膜実質を透過して、角膜内皮細胞に影響を与えてもおかしくありません。
アルコールが角膜内皮細胞に影響を与えるには、
ボーマン層、角膜実質、デスメ層を透過しなければいけません。
ボーマン層というのはコラーゲンでできており、
角膜実質とほぼ同じような働きをしています。
水分を多く含んでいて、
イメージとしては水分を多く含んだスポンジのような感じになっています。
デスメ層は厚み数μmととても薄い層なのですが、
強度がとても高い層になっています。
角膜内皮細胞を保護するための膜のような働きをします。
角膜がアルコールに浸された場合、
アルコールはどこまで透過するでしょうか?
ボーマン層と角膜実質は水分を多く含んだ
スポンジのようなものだと言いました。
ということは、
アルコールは角膜実質まで透過しそうですよね。
つまりはデスメ層にまでアルコールは影響を与える可能性も高いです。
デスメ層は強度は強いのですがとても薄い層です。
その内側にある角膜内皮細胞にまで
アルコールが影響を与えてもおかしくはありません。
ラゼックを受けるときは十分にリスクを理解してから受けることをオススメします。
ラゼックを受けたあとに、
大きく角膜内皮細胞の数が減ったという人もいるようです。
眼科やクリニックの解説ページではほとんど書かれていないことですが、
そういったリスクもあります。
ラゼックを受けるときにはそのリスクも十分に理解してから
受けることをオススメします。
参考記事:あなたの角膜内皮細胞、1ミリ平米あたり1500個以上ありますか?