レーシックの術式の種類の中に
「iLASIK(アイレーシック)」
というものがあります。
iLASIKというのは
一体どんな視力回復手術なんでしょうか?
目次
AMO社の3つの機材を使ったイントラレーシックのことをiLASIKと呼びます。
iLASIKがどんなものかというと、
術式そのものは、
他のイントラレーシックとまったく違いはありません。
イントラレーシックというのは
フラップを作るのにフェムトセカンドレーザーを使う
レーシックの術式です。
それでは何が違うのかというと、
使っている機材が違います。
というよりも、
iLASIKと名乗るには、
ある特定の機材を使うことが条件付けられているんですね。
ズバリ言うと、
AMO社の3つの機材を使うことが条件付けられています。
その3つというのは、
「VISX STAR S4 IR エキシマレーザー」、
「iFSレーザー」 or 「FS60レーザー」(フェムトセカンドレーザー)、
「Weve Scan」(ウエーブフロントシステム)、
の3つです。
Weve Scanというのはウエーブフロントシステムで、
目の角膜の歪みを解析して、
視界の見え方の質までも向上させることができます。
角膜の歪みは人それぞれ違うので、
それに合わせて角膜矯正できることから、
オーダーメイドレーシックとか
カスタムレーシックと言われたりもします。
イントラレーシックというカテゴリの中の1つのブランドのようなもの?
言ってみれば、
iLASIKというのは、
イントラレーシックというフェムトセカンドレーザーを使って
フラップを作るレーシックのカテゴリの中の、
1つのブランドのようなものでしょうか。
ブランド力としては
イントラレーシックの中でもトップだと思います。
NASAも認めた視力回復手術ということがうたわれていますし、
AMO社の機材はレーシック業界の中でもトップシェアを誇っています。
関連記事:「イントラレーシック」って一体どんな視力回復手術なんでしょうか?
登場した当時は最先端でしたが、今ではちょっと時代遅れになりつつあります。
そんなiLASIKなのですが、
登場した10年ほど前は最先端の機材だったのですが、
今となってはちょっと時代遅れになりつつあるのが否めません。
というのも、AMO社はVISX STAR S4 IRエキシマレーザー以降、
新しいエキシマレーザーの機種を1つも投入していません。
AMO社以外のエキシマレーザーを開発している会社。
例えば、シュウインド社やウエーブライト社などは、
数年ごとに最新機種を投入しています。
エキシマレーザーも10年前に比べれば、
照射スピードからアイトラッキングシステムの精度まで、
大きく進化してきています。
それが、iLASIKの場合はエキシマレーザーが約10年前のままなんです。
iLASIKの値段が高いのは、AMO社にライセンス料を支払わなければならないから。
ちなみに、
iLASIKは他のレーシックの術式に比べると
ちょっと値段が高い傾向があります。
これには実は理由があります。
というのは、iLASIKを行う場合、
当然のことながらVISX STAR S4 IRエキシマレーザーを
可動させることになるのですが、
その時にAMO社へのライセンス料が発生するようなのです。
両目で7万4000円ほどだと言われていますが、
エキシマレーザーを照射するだけで
7万4000円のライセンス料が発生してしまうんですね。
当然ながらその費用は
手術費用として患者に上乗せされてきます。
iDesine-iLASIKはiLASIKとはどう違うんでしょうか?
ちなみにiLASIKには上位バージョンとして
iDesine-iLASIK(アイデザインアイレーシック)というものがあります。
何が違うのかというと
ウェーブフロントシステムが違います。
iLASIKではウェーブフロントシステムに
「Weve Scan」を使いますが、
iDesineの時には、
「iDesineアドバンストウェーブスキャン」を使います。
何が違うのかというと
解析精度が違ってきます。
Weve Scanでは角膜を240のポイントに分けて解析するのですが、
iDesineの場合には1200のポイントに分けて解析します。
精度が5倍ほど上がっているということですね。
例えるならブラウン管のテレビから
ハイビジョンに変わるぐらい解析精度が上がっているという感じでしょうか。
そんなiDesineなのですが、
ボトルネックがあります。
それは、エキシマレーザーです。
iDesine-iLASIKの場合でも、
使うエキシマレーザーは約10年前のVISX STAR S4 IRエキシマレーザーなんです。
なので、iDesineでいくら解析精度が上がっても、
その精度で出力できないという問題があります。
それが理由かは分かりませんが、
iDesineはiLASIKほどには普及していないんですね。