視力回復手術のひとつに、
ラゼック(ラセック、LASEK、Laser-Assisted Sub-Epithelial Keratectomy)
というものがあります。
ラゼックというのは
一体どんな視力回復手術法なんでしょうか?
目次
ラゼックの1番の特徴は、アルコールを使うというところです。
ラゼックというのは
アルファベットで書くとLASEKです。
レーシックのLASIKにとても良くにています。
でも手術の方法としてはレーシックというよりも
PRKにとても良くにています。
というよりもPRKの一種といったほうがいいかもしれません。
PRKというのはレーシックのように
フラップを作らないという特徴があります。
角膜上皮をなんらかの方法で剥がして、
露出した角膜実質に直接エキシマレーザーを照射して角膜矯正をします。
角膜上皮をなんらかの方法で剥がしてと言いましたが、
それにアルコールを使うのがラゼックなんです。
ラゼックの1番の特徴は角膜上皮を剥がすのに
アルコールを使うという点です。
参考記事:「PRK」って一体どんな視力矯正手術法なんでしょうか?
アルコールによって角膜上皮の細胞が半死状態になり、剥がれやすくなる。
20%程度に希釈したアルコールで
目の角膜をひたします。
ケーキを作るときの型のようなもので目の角膜を覆って、
その中にアルコールを入れるんですね。
そして10秒から30秒ほどおきます。
すると、目の角膜上皮細胞が半死状態になってふやけます。
半死状態と聞くとちょっと怖いですが、
実際その通りなんです。
レーシックの場合は角膜上皮もフラップ上に残ります。
そして、術後もその角膜上皮は生き残ります。
でも、ラゼックでアルコールで剥がした角膜上皮は
生き残らずにそのまま剥がれ落ちます。
でも安心してください。
角膜上皮は再生する細胞です。
剥がれ落ちた部分は新たな角膜上皮細胞で
覆われることになります。
フラップは作らずに露出した角膜実質を直接エキシマレーザーで削ります。
ラゼックでは、アルコールによって角膜上皮を剥がしたら、
露出した角膜実質を直接エキシマレーザーで削っていきます。
角膜実質をエキシマレーザーで削っていくというのは
メスを使って人の手で手術するRKと、
フェムトセカンドレーザーのみを使って視力矯正する
リレックススマイル以外ではすべて同じです。
エキシマレーザーを照射し終わったら、
アルコールによってふやけた角膜上皮を一応もとの位置に戻して、
その上から角膜保護用のコンタクトレンズをかぶせます。
それでラゼックの手術は終了です。
参考記事:「RK」って一体どんな視力矯正手術なんでしょうか?
フラップは作らないのでフラップがらみのトラブルは発生しません。
ラゼックのメリットとして、フラップを作らないので、
フラップが原因となるトラブルが発生しないというものがあります。
フラップがある場合は、フラップがズレたり、
フラップの中に角膜上皮が入り込んでしまったりするトラブルがあります。
それこそ衛生環境が不十分であれば
感染症にもなる可能性があります。
それが、ラゼックの場合はそういった心配はありません。
ただ、角膜上皮を剥がしてしまうので、
術後に目が必ず痛くなるというデメリットはあります。
また、術後すぐには視力回復しません。
角膜上皮が再生するまでなかなか視力が安定しないんですね。
アルコールを使うことで角膜内皮細胞の数が減る可能性があります。
ただ、ラゼックを行っている眼科やクリニックでも
なかなかアナウンスされていないことなのですが、
アルコールによって角膜上皮を剥がそうとすると、
角膜の1番下の層である角膜内皮細胞にまで
ダメージを与える可能性が少なくないようです。
簡単に言うと、
角膜内皮細胞の細胞数が減ってしまう可能性があります。
角膜内皮細胞は角膜上皮のように再生しません。
なので、細胞数が減ったり減りっぱなしです。
それによってどんな問題が発生しうるかというと、
角膜が白く濁ってきます。
水疱性角膜症というものですね。
角膜内皮細胞は角膜を透明に保つという重要な働きを持っています。
厚みは約5μmというとても薄い層なのですがとても重要な層です。
ラゼックを受けるときには十分にリスクを知った上で
受けるようにすることをオススメします。
参考記事:あなたの角膜内皮細胞、1ミリ平米あたり1500個以上ありますか?