品川近視クリニックには
「レクスト」と呼ばれる術式があります。
「レーシック」+「ネクスト」でレクスト?
なんて思ったりしますが、
レクストというのは
一体どんな視力回復手術なんでしょうか?
目次
「イントラレーシック」と「角膜強化法」を組み合わせたものです。
レクストというのは簡単に言うと、
従来のイントラレーシックに、
角膜強化法(クロスリンキング)を組み合わせたものです。
なので、
なにかまったく新しい技術をつかった術式
というわけではないんです。
クロスリンキングというのは、
今までもあった技術で、
角膜が円錐状になってしまう
円錐角膜を改善するために使われたり、
角膜の強度が足りなくてレーシックが受けられないという人たちに
使われてきたりしました。
角膜に問題を抱えている
特定の人向けの技術という位置づけだったのですが、
レクストでは、
一般的な角膜の人にも
クロスリンキングをしていきましょうという
位置づけになっています。
なぜ、角膜強化法を組み合わせるのか?
ちなみに、
なぜ、レーシックに角膜強化法(クロスリンキング)を
組み合わせるんでしょうか?
レーシックというのは、
目の角膜にフラップをつくって、
フラップをめくり、
露出した角膜実質にエキシマレーザーを照射して
角膜矯正して視力を上げるという手術です。
当然のことながら角膜は薄くなります。
多少角膜が薄くなっても問題ないという前提条件で、
これまでレーシック手術が行われてきたと思います。
アメリカンアカデミーオブオプサルモロジーという世界最大の眼科協会では、
フラップを除いて250μmほどの角膜が残っていることが
推奨されるとアナウンスされています。
参考サイト:http://eyewiki.aao.org/LASIK_for_Myopia_and_Astigmatism%3A_Safety_and_Efficacy
角膜の平均的な厚みって約500μmなので、
反対に言えば、
半分ぐらい薄くなっても大丈夫ということになります。
でも、角膜が半分ぐらい薄くなっても大丈夫だという
その基準が間違っていたとしたらどうでしょうか?
角膜にフラップを作ると、角膜の強度は必ず落ちます。
レーシックを行うにはフラップを作ります。
そして、そのフラップは術後も角膜上に残ります。
でも、そのフラップ分の厚みは、
角膜の強度アップにはほとんどといっていいほど貢献しません。
見た目にはフラップ分の厚みも含めた
角膜の厚みに見えますが、
強度的にはフラップがない状態の
角膜の厚みと同じ強度になってしまうんですね。
というのも、角膜実質という組織はほとんど再生しません。
だからこそ、
エキシマレーザーで削ると
半永久的に視力矯正できるわけなんですけどね。
もし、再生する組織であれば、
定期的にレーシックを受ける必要がでてきてしまいます。
そんなわけで、レーシックを受けると
必ず角膜の強度が下がるわけなのですが、
今までははそれでも大丈夫だと思われていた基準が、
今になってゆらいできているのだと思います。
術後に眼圧が上がった場合、角膜の強度が足りずに問題になる可能性がある。
例えば、
レーシックの手術を受けたあとに、
眼圧が上がってしまった場合はどうなるんでしょうか?
眼圧が上がるということは、
眼球の内側から外側に圧力がかかるということです。
つまりは、角膜も、
内側から外側に押されるような感じになるんですね。
そのときに、角膜の一部が薄くなっていたとしたら
どうなるでしょうか?
当然のことながら薄い部分から外側に盛り上がりますよね。
レーシックを受けたあとに、
数年たつと視力がちょっとずつ落ちていく現象のことを
近視戻りと言いますが、
もしかしたらその原因は
角膜が薄くなっているからかもしれません。
眼圧に押されて少しずつ角膜の薄い部分が
盛り上がってきているイメージでしょうか。
そうすると当然のことながら近視戻りが起こります。
角膜が変形するので
乱視も起こる可能性がありますよね。
それを予防するための技術が「角膜強化法」?
そういう可能性を、
極力予防するために考え出されたのが
レクストなんじゃないでしょうか。
角膜の強度を極力保つために、
従来のレーシックの手術のあとに、
角膜強化法(クロスリンキング)も同時に行います。
そうすると、
クロスリンキングをしなかった場合に比べて
術後の角膜の強度を保てるというわけです。
術後の近視戻りなどの問題が発生しにくくなるのであれば、
いい技術かもしれません。
クロスリンキングを受けることのデメリットはまた別問題ですけどね。
でも、もうすでにレーシックを受けているという人にとっては
あまり知りたくない事実かもしれませんね。