「前房深度」という
言葉があります。
目の角膜の表面or背面から、
水晶体の表面まで距離(深さ)のこと
を言います。
人によって前房深度は違ったりするのですが、
どれくらいが正常値と言えるんでしょうか?
目次
深さが「2.5mm」以上あれば正常値だと言えるようです。
前房深度というのは、
角膜の表面or背面から
水晶体の表面までの距離のことをいいます。
角膜の表面or背面って
かなりアバウトな感じですが、
角膜の厚みは約0.5mmほどです。
前房深度の正常値は
「2.5mm」以上あればいいと言われているので、
それほど大きな差にはならなそうですね。
そうなんです。
前房深度は2.5mm以上あれば
正常値だと言われているんですね。
もしくは3.0mm以上と言われることもあります。
角膜から水晶体までの距離が
2.5mmとか3.0mmって
一体どれくらいかなかなかイメージがわきませんよね。
具体的にはこんな感じです。
(引用元:http://www.satouganka.com/blog/396/)
眼科で細隙灯顕微鏡(さいげきとうけんびきょう)というもので
目を検査しているときの画像です。
角膜から虹彩までの距離がわかりやすいですよね。
これぐらいの距離があれば
正常値と言えるようです。
水晶体は虹彩の真後ろに位置しているので、
角膜に映っている白いラインと、
虹彩に映っているオレンジ色のラインの距離が、
ほぼ前房深度と言えます。
反対にちょっと注意が必要なのが、深さ「1.5mm」以下です。
前房深度は人によって結構違うのですが、
深さが「1.5mm」以下になってくると
ちょっと注意が必要なようです。
具体的にはこのような感じになります。
(引用元:http://www.satouganka.com/blog/396/)
さきほどの前房深度が正常値の人の画像に比べて、
明らかに前房深度が浅いということがわかりますよね。
虹彩の位置が
前面に押し出されてきているのがわかります。
虹彩に映っている
オレンジ色のラインが
カーブを描いていますもんね。
正常な人の場合は、
虹彩に映っているオレンジ色のラインは
ほとんど直線でした。
これぐらいの前房深度が、
1.5mm以下になるようです。
前房深度が浅いということは、眼圧が高いということ。
ちなみに、
さきほどの前房深度が1.5mm以下の人の画像は、
「急性緑内障発作」を起こしてしまった人の眼です。
緑内障というのは
眼の眼圧が高くなってしまう病気です。
眼の眼圧が高くなってしまって、
水晶体や虹彩が
前面に押し出されてきてしまうんですね。
そして、結果として前房深度が浅くなります。
つまりは、
前房深度が浅いということは、
眼圧が高い可能性があるということにもなるんですね。
関連記事:眼圧が高くなってしまう理由はなんなんでしょうか?下げる方法も!
前房深度が浅い場合、フェイキックIOLを受けられないことがあります。
前房深度が浅い場合、
眼圧が高くなっている可能性が高いということなので、
眼内に人工的なレンズを入れて視力回復する手術である、
「フェイキックIOL」を受けられない可能性がでてきます。
フェイキックIOLも、
大きく分けて2種類あります。
「前房型」と「後房型」というものです。
前房型というのは
角膜と虹彩のあいだにレンズを固定する方法。
そして後房型というのは
虹彩と水晶体のあいだにレンズを固定する方法です。
どちらにしても、
眼内にレンズを挿入します。
眼の中の水分(房水)の流れに
影響を与えるわけです。
なので、眼圧が高い人の場合は、
さらに眼圧が高くなってしまう可能性があるんですね。
なので、フェイキックIOLの手術を
断られるということもあります。
そもそも、
前房深度が浅くなってしまうので、
レンズを挿入するスペースが
狭くなってしまうという理由もありますね。
関連記事:フェイキックIOLには「前房型」と「後房型」の2種類がある?