ちょっと軽い乱視の場合、
普通の近視用のハードコンタクトレンズを装着するだけで、
乱視が矯正されてしまいます。
なぜなんでしょうか?
目次
逆に、なんで近視用ソフトコンタクトでは、乱視を矯正できないのか?
近視用の「ハード」コンタクトレンズなら
多少の乱視は矯正されてしまうのに、
なぜ、近視用の「ソフト」コンタクトレンズでは
乱視が矯正されないのでしょうか?
ちょっと不思議に思いませんか?
ソフトの場合、
近視用のレンズと乱視用のレンズはハッキリと分かれています。
乱視用のソフトレンズは、
レンズのカタチがちょっと特殊なカタチになっています。
その点、ハードレンズの場合は、
近視用と乱視用が共通のレンズだったりします。
なぜなんでしょうか?
ソフトコンタクトの場合、レンズが角膜のカタチに合わせて変形してしまいます。
それは、ソフトレンズの柔軟性にその理由があります。
乱視って、その原因の多くは、
角膜のカタチの歪みにあります。
本来は、きれいな球面状をしているはずの角膜が、
なんらかの理由で、
ちょっと歪んで楕円状になったりするんですね。
そうすると、目の中に2つの焦点ができてしまいます。
それがモノが2重に見えてしまう原因になるんです。
参考記事:乱視は自然治癒によって治すことは可能なんでしょうか?
そんな、楕円状になってしまった角膜の上に、
ソフトレンズを装着した場合。
どうなると思いますか?
ソフトレンズってとても柔軟性があるので、
レンズ自体が楕円状のカタチに変形してしまうんですね。
その結果、近視用のソフトレンズを装着しても、
乱視は矯正されないということになります。
その点、ハードコンタクトレンズはレンズのカタチをキープできる。
それでは、ハードレンズの場合はどうでしょうか?
ハードレンズの場合、
レンズそのものには柔軟性はありません。
まあ、多少はあるのですが、
ソフトレンズほどクニャっとはしませんよね。
なので、楕円状になってしまった角膜の上に、
ハードレンズを装着しても、
レンズは変形することなく、
キレイな球面状を保つことができます。
キレイな球面状のレンズに光が当たるなら、
目の中で2つの焦点ができてしまうということはありません。
1つの焦点が、目の網膜に当たることになります。
つまり、乱視が矯正されてしまうんですね。
乱視で歪んだ角膜と、変形しないハードレンズは、なぜフィットできるのか?
でも、勘が良い方は、
ここでひとつの疑問が起こるかもしれません。
それは、
「楕円状になってしまった角膜の上に、
変形しないハードレンズをかぶせた場合、
ちゃんとフィットするの?」
という疑問です。
確かにそうなんです。
普通に考えると、
ちゃんとフィットせずにポロっと落ちてしまいそうですよね。
でも、実際のところ、
多少の角膜の歪みであれば、
ハードレンズがポロッと落ちることはありません。
なぜだと思いますか?
それは、「涙」にその理由があります。
角膜の上にハードレンズをかぶせるとしても、
その間には涙がありますよね。
涙は水分なので、
ソフトレンズ以上に柔軟性があります。
そうなんです。
実は、楕円状の角膜と、
ハードレンズの間にできてしまう隙間を、
涙が柔軟に埋めてしまうんですね。
そうして、ハードレンズは
目の角膜の上にかぶさることができるんです。
目にハードレンズを装着できるのであれば、乱視を矯正できる可能性は高いかも。
ただし、それも角膜の歪みの度合いによります。
多少の角膜の歪み、
具体的に言うと、
涙によってその隙間を埋められるぐらいの歪みの場合ですね。
それぐらいの乱視であれば、
普通の近視用のハードレンズで
乱視を矯正することができるのですが、
涙ではその隙間を埋められないぐらい、
角膜の歪みが強い場合があります。
例えば、「円錐角膜」の方とかですね。
参考記事:円錐角膜の場合はコンタクトレンズはハードとソフトどっちがいい?
円錐角膜というのは、
その名の通り、
なんらかの理由で目の角膜が円錐状に尖ってしまう病気です。
当然のことながら乱視の原因にもなります。
そういった円錐角膜の場合、
普通のハードレンズでは装着するのが困難です。
涙ではその隙間を埋められないからですね。
装着しようとしても、
レンズがポロッと落ちてしまいます。
なので、ハードレンズはどれくらいの乱視までなら
矯正できるのか気になる人もいるかもしれませんが、
その答えは、
「ハードレンズを装着できるのであれば、乱視は矯正されます!」
です。