リレックススマイルには必ず、
「VisuMax(ビジュマックス)」
と呼ばれる機材が使われます。
レーシックの場合は、
特定の機材を使わないといけないということはないのですが、
リレックススマイルの場合は必ずVisuMaxです。
このVisuMaxというのは
どんな機材なんでしょうか?
目次
カールツァイス・メディテック社が開発したフェムトセカンドレーザーシステムです。
簡単に言うと
「VisuMax」というのは
ドイツのカールツァイス・メディテック社が製造している、
フェムトセカンドレーザーシステムのことです。
カールツァイスというと、
カメラのレンズとかを作っているメーカー
というイメージが強かったりしますが、
視力矯正のための
フェムトセカンドレーザーなども作っているんですね。
ちなみに、
フェムトセカンドレーザーというのは、
波長が長い1053nmの赤外線を使ったレーザーです。
赤外線なので、
角膜の組織を「透過」することができるのが特徴です。
リレックススマイルは
角膜の「中」をくり抜くようにして行う視力矯正手術です。
なので、
使うレーザーとしては
角膜を「透過」できることが必須なんですね。
ちなみに、
レーシックではフラップをめくったあとに、
角膜実質を削るのには
エキシマレーザーというものを使いますが、
エキシマレーザーは
波長が短い193nmの紫外線を使ったレーザーです。
エキシマレーザーの場合は、
角膜の組織を「透過」することができません。
エキシマレーザーでは
リレックススマイルを行うことはできないんですね。
参考記事:「リレックススマイル」って一体どんな視力回復手術なんでしょうか?
フラップを作らない視力矯正手術であるリレックススマイルを行える唯一の機材。
今のところ、
リレックススマイルを行えるのは「VisuMax」のみです。
フェムトセカンドレーザーを作っているメーカーは
カールツァイス・メディテック社以外にもいくつかあります。
ジーマー社やAMO社などですね。
でも、
リレックススマイルを行えるのは
VisuMaxだけなんです。
あまり、そういった情報が見当たらないので憶測ですが、
もしかしたらカールツァイス・メディテック社が
リレックススマイルの特許を取得しているのかもしれません。
フラップエッジの角度は45度〜135度まで選べるので固定力は強いです。
ちなみに、
VisuMaxはリレックススマイルのために使う機材
というイメージがありますが、
実はレーシックを行うこともできます。
レーシックを行うには、
フェムトセカンドレーザーで目の角膜にフラップを作って、
フラップをめくって、
露出した角膜実質にエキシマレーザーを照射して角膜矯正します。
VisuMaxは実は
レーシックのためのフラップ作成にも使えるんですね。
フェムトセカンドレーザーですからね。
ちなみに、
フェムトセカンドレーザーは機材によって
色々と性能差があります。
レーザーの速さとか、
照射スポットサイズとか、
色々あるのですが、
その中のひとつに
フラップエッジの角度の範囲というものがあります。
フラップエッジ角度が90度の場合。
エッジの角度は直角です。
崖みたいなものですね。
フラップエッジ角度が45度の場合、
エッジの角度は坂道みたいになだらかになります。
このフラップエッジ角、
実はフラップのずれにくさに関わってきます。
フェムトセカンドレーザーによっては、
このエッジ角が35度しか選べないものがあるんですね。
エッジ角が35度の場合、
エッジ角が90度に比べて、
若干フラップがずれやすくなる傾向があるようです。
VisuMaxはエッジ角度を
45度から135度まで選べます。
もちろん90度もOKです。
関連記事:レーシック手術、「フラップ」はなんのために作るんでしょうか?
フラップを作るまでにかかる時間は約10秒〜15秒
ちなみに、
VisuMaxはひとつのフラップを作るまでにかかる時間は
約10秒から15秒のようです。
これはかなり速いほうです。
VisuMaxのレーザースピードは
500khzとフェムトセカンドレーザーの中では
高速なほうなんですね。
ちなみにアイレーシックで使われる
AMO社のiFSのレーザースピードは150khzで、
ひとつのフラップを作るまでの時間は約40秒ほどのようです。
iFSに比べればかなり高速ですよね。
それと、Zレーシックでは
ジーマー社のフェムトLDVという
フェムトセカンドレーザーが使われます。
フェムトLDVはレーザースピードが
5000khzと数字上は格段に速く感じるのですが、
その分、
1発あたりのレーザーのエネルギーが低くなっています。
どういうことかというと、
VisuMaxなら1発で済むところを、
フェムトLDVの場合は10発とか打たないといけなかったりします。
なので、フェムトLDVの場合は
レーザースピードが速いからといって、
フラップを作るまでの時間も早くなるということはないんです。
むしろ、VisuMaxよりも
遅くなることもあるのではないでしょうか。
厚生労働省に承認されています。
ちなみに、
VisuMaxは厚生労働省に
医療機器としてきちんと承認されているというのもポイントです。
レーシックで使われるフェムトセカンドレーザーの中には、
厚生労働省には承認されていないものもいくつかあります。
Zレーシックで使われる
ジーマー社のフェムトLDVは、
アメリカのFDA(日本の厚生労働省のようなもの)には承認されていますが、
日本の厚生労働省には承認されていません。
今のところ、厚生労働省に、
「眼科用レーザ角膜手術装置」
として承認されているフェムトセカンドレーザーは、
AMO社のiFSと、
カールツァイス・メディテック社のVisuMaxだけです。
関連記事:リレックススマイルとレーシック、どっちのほうが安全性が高い?