レーシックについて調べていると、
「ウェーブフロントレーシック」
という言葉を目にすることがあります。
ウェーブフロントレーシックというのは
一体どんなものなんでしょうか?
目次
ウェーブフロントレーシックの「ウェーブフロント」とは何なのか?
ウェーブフロントレーシックの
「ウェーブフロント」
というのは一体どういう意味を持っているんでしょうか?
ウェーブが「波」で、
フロントが「前面」だとすると、
前面が波になったレーシックという意味でしょうか?
意味不明ですね。
実は、ウェーブフロントというのは
「波面収差(はめんしゅうさ)」のことを意味しています。
波面収差というのは、
レンズがもっている微妙な歪みのことをいいます。
レンズが波面収差をもっているとどうなるのかというと、
焦点が1点に集まらずに、
微妙にズレが生じます。
ちなみに、
目の角膜もレンズの一種のようなもので、
少なからず波面収差をもっています。
眼球全体の波面収差を矯正することができるのが、ウェーブフロントレーシック。
目、全体の波面収差を矯正することができるのが
ウェーブフロントレーシックです。
人がモノを視るためには、
光は、目の角膜、水晶体、硝子体、を通って
網膜に焦点が合う必要があります。
眼球ってきれいな球面をしているように思えますが、
微妙に歪んでいたりもします。
角膜が微妙に歪んでいることもあれば、
水晶体が微妙に歪んでいることもあるかもしれません。
はたまた、
網膜に微妙な歪みがある可能性もあります。
ウエーブフロントレーシックというのは、
角膜を矯正することによって、
目、全体の歪みをとるためのレーシックです。
もし、水晶体や硝子体が歪んでいる場合は、
角膜をその歪みにあわせて削っていくことになります。
極端なことを言うと、
角膜を歪ませることによって、
目全体の歪みを打ち消すということになります。
目の角膜が
きれいな球面状ではなくなってしまうのが
デメリットです。
ちなみに、目、全体ではなくて、
目の角膜だけの歪みをとるレーシックのことを
トポリンクレーシックと言います。
参考記事:トポリンクレーシックって一体どんなものなんでしょうか?
「レーシック」+「ウェーブフロント解析システム」=「ウェーブフロントレーシック」
ウェーブフロントレーシックと聞くと、
そういうブランド名の
レーシックの術式なのかと思ってしまいがちですが、
実はそうではないんです。
イントラレーシックと同じように、
ウェーブフロントレーシックも、
レーシックの中のカテゴリのひとつのようなものです。
「レーシック」+「ウェーブフロント解析システム」=「ウェーブフロントレーシック」
と言えると思います。
なので、
マイクロケラトームを使ってフラップを作る
レーシックであっても、
ウェーブフロント解析システムを使って、
角膜の歪みを解析して、
それを矯正するようにエキシマレーザーを照射すれば、
それはウェーブフロントレーシックになるのではないかと思います。
iLASIKの場合は「Wave Scan」という
ウェーブフロント解析システムを使うので、
確実にウェーブフロントレーシックですね。
参考記事:「イントラレーシック」って一体どんな視力回復手術なんでしょうか?
参考記事:iLASIK(アイレーシック)って一体どんな視力回復手術なんでしょうか?
視界がクッキリとみえすぎると脳が疲れてしまうということも。
ウェーブフロントレーシックが理想的に行えた場合、
目の角膜の波面収差はなくなります。
そうすると、
どうなるのかというと、
目の網膜にピッタリとピントが合うようになります。
視界がクッキリとするんですね。
レーシックを受ける前には
微妙な波面収差があった場合、
手術後は視力もそうなのですが、
モノの見え方がかなり違ってくると思います。
それっていいことのように思いがちなのですが、
実はデメリットもあります。
視界がクッキリするということは、
いままで見えなかった細かい部分もよく見えるようになってきます。
そうすると、視界から入ってくる情報量が
いままでよりも多くなって、
脳が疲れやすくなってしまうということがあるんです。
慣れの問題もあるのですが、
なかなか慣れずに頭が痛くなってくるという人も
少なからずいるようです。
その人にとって、自然な見え方を追求していくのが今後の方向性?
そんなわけで、
技術的にはウェーブフロントレーシックによって、
波面収差のない角膜を追求していくことが
できるのかもしれませんが、
あえて、
手術前の自然な見え方を維持するように、
シフトしていくのではないかと思っています。